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トワイライト・ミュージアム 

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……最近はもっぱら初野晴さんにハマッています。他の方の著書も読んでいるのですが、なんだろう、世界観やモチーフが、個人的にストライクすぎて。たぶん、辻村深月さん以来のヒット。


『トワイライト・ミュージアム』:
天涯孤独な少年・勇介は、急逝した大伯父・如月教授が遺してくれた博物館で秘密裏に行われているあるプロジェクトの存在を知る。それは―脳死患者と時間旅行を研究する極秘実験。過去を彷徨う魂を救うため、勇介は学芸員・枇杷とともに、過酷な時の旅へと出発する!注目の著者が放つ新感覚タイムトラベル・ミステリ。(Amazonより抜粋)

……思うに誰にでも、持って生まれた属性というか、その「何か」に対してだけは、望むと望まざるとに関わらず反応してしまう、起点のようなものがあると思うのですが。初野さんは、それが「欠落」なのかな、という気がしています。

彼の書く物語には、よく身体障害者が出てくる。きっと、身近にいるんだろうな、と思う。車椅子、視覚障害、そして脳死――そう、脳死。こんなに真に迫った脳死をよく書けたものだと、最初は、しんどかったです。読んでいて。でもその抉るような筆致が、作者の誠実さを表しているとも感じる。

ただの「材料」では済まさない、気迫。書き手である以上、つねに葛藤がつきまとう、その気持ちは痛いほどよくわかる。言わば障害をキャラ付けに「使って」いるのだから。だから、書く以上は、徹底的に魂を込めたものを。フィクションの向こうに、リアルを生み出す。覚悟。……のようなものが、初野さんの文章からはひしと感じられる。

たぶん好きなんだろうな、と。そしてそのことを、きっと恥じた時期があったはずだ。「欠落」。そこに魅了されてしまう宿命。私もどちらかというと、アウトサイドに惹かれる気質なので、不謹慎だと知りつつも興奮してしまう。それこそサモトラケのニケとか、両腕と翼を欠いているからこそ、かくもエロティシズムを感じるのだろう、と。

話は脱線しますが、小川洋子さんとかもそうなのかも。『薬指の標本』を筆頭に、体や記憶の一部が消えていく、という描写がよく出てくる。そして、それが震えるほど美しい。……あの惨酷で透明な空気を、あんなにもやわらかく、やさしく書けてしまう彼女は天才だと思う。偏見かもしれないけれど、あの毒のある繊細さを描き出せるのは女性ならではなんだろうな……。

初野さんの文章は、透明感あふれる一方で、それと同じかそれ以上にしっかりエンタメしているので(特に『1/2の騎士』とかは)、いわゆる「本が苦手」な方でも、さらっと読めてしまうと思います。オススメ。……というか、とにかく誰か読んでみてほしい。そして語りたい。初野オフ会とかしたい。

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